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こんにちは。ひのき建設の宮本です。

暑いですね。猛暑です。
暑いときは無理せず、ちゃんとエアコンを使いましょう。

私がこの世界に入ったとき、まだ世間は「温暖化」なんて言われていませんでしたし、多治見や熊谷が暑いなんて知りませんでした。
フェーン現象で山形が暑くなるのを知識として持っていた程度でした。

30℃超えたら暑いなとか、水温が25℃以下でプールに入れなかったとか言ってて、今みたいな酷い暑さはありませんでした。

私の実家は標高の高いところにあり、畑に囲まれてるところですので、エアコンの室外機やビルの屋上や道路が熱せられて起きるヒートアイランド現象になるような場所ではありませんでしたから、昼間も夜も窓を開けているだけで涼しいものでした。

15年くらい前から、やたらと暑くなったような気がしますね。

暑くなりだす前に、私はエアコンを買いました。

当時はペーペーの社員で、そこは普段はスーツ着用が義務付けられていた会社でした。

スーツにはネクタイが必要ですね。
当時、独身で愛人もおらず、実家住まいなので、金はあるんです。
服など身の回りのものは、今は亡き小田原の丸井で買うことがよくありました。
小田原でデパートと言えば、まず丸井でしたからね。

6月くらいになると、丸井は全社挙げてエアコンを売りに出るみたいで、ネクタイを買いに来たわたしは、エスカレーターを乗り継ぐときに、店員のおじさんに声をかけられました。

「どうですか、エアコン」と。
うち、涼しいから、特に必要ではないんです。
普段はエアコンなしで生活しているし、私の家の構造が特殊で、鉄筋ブロックという構造なんです。
今はほとんど見かけない工法ですが、外壁が固くて、穴があけられないのです。

「うるせー」とか言っとけばよかったのですが、ちゃんとそのことを店員さんに伝えると、「うちなら困難な工事でもやっちゃいますよ」と。

普段、エアコンのない生活してるから、さほど不便を感じていなかったんです。
ま、でも話だけならと。暇でしたから。

取り合えずエアコン売場に任意同行願いますと。
7階だか8階へ連行されました(笑)

売り場はキンキンに冷えていて、何台ものエアコンの吹き出し口には、例のビラビラが。壮観です。なるほど、いろいろな機種が置いてあって、見ていると、あなたのお部屋は何帖ですかと。

8帖ですと。
じゃ、この辺りになりますと。

霧ヶ峰やこかげ、しろくまくんとか、いっぱいあったと思います。
中でもダイキンのを勧められましたね。
日本一、弾薬作ってる会社らしいですね。
火薬かなんかを熱くさせないように、エアコンの技術が発達したとかなんとか。
本業はそっちなんでしょうか。他人の受け売りですが。
イメージ

バックが大きかったんでしょう。
仲介も片手より両手ですね。
ADが出るなら、そっち狙いますもんね。
ぴちょん君にはB勘のイメージが付いてしまいました(笑)

見積もり、すぐ出してきました。
工賃込みでいくらいくらですと。

ネクタイを買いに来て、不要なエアコンを買わされるのもおかしいものですが、その手際の良さには、新人営業マンとして憧れてしまうほど感心を覚えました。

エアコンのある生活、エアコンの大切さ、どれだけこのエアコンに惚れ込んでいるか、そして、このエアコンと一緒に見る夢の話までされていました。
松岡修造さんかと。


買おうと。


店員さんの、この営業が見れただけでも儲けものだと。
買わなきゃいけない雰囲気に飲まれていたのかも知れません。

しかしながら私、何故か丸井の赤いカードを持ってきてはいませんでした。
現金で3万円しか持っていなかったのです。
ネクタイ2本を買うのに、現金をポケットに突っこんで、買いに来ていたんです。

「あ、カードがないです💦」というと、カードを作れと。
今作って今買えと迫られました。

「いや、赤いカードは持ってるんです。今日は持ってませんが」と答えると、きっと断りだと思ったんでしょう。
クロージングに失敗したと。
何か、変なこと言っちゃったんじゃなかろうかと。
自己資金の確認を怠って、自分の世界に浸りすぎたと。
夢までアツく語って恥ずかしいと。

1時間も買わない客に付き合わされたと。
エアコン買わねぇなら最初から丸井に来んじゃねぇよと。
金もカードも持ってねぇなら話聞いてんじゃねぇよと。

だんだんイラついてきたのがわかりました。
私も怒られてるみたいで、居たたまれなくなりました。

最後、投げやりに、「カード忘れで対応できんだけんどなぁ」と。
肩を落として、床を、いや床の下、さらに地下1000メートル先を見るような目つきで、ため息交じりに呟いてました。
さっきまで、私の眼をしっかりと見つめながら、アツく語っていた態度とは、明らかに違っていました。
こういう時に、聞き上手の人は、無駄に話をさせてしまいます。

じゃ、買いますと。

あそこまで夢語られて、エアコン1台くらい買ってもバチは当たらない、と思いました。
不機嫌にさせてごめんなさい。
ちゃんと買うから。
ネクタイもあんたから買うからと。

イタリアのブランドの、12000円のを2本買おうと思っていましたが、
勧められた5000円の国内ブランドのを2本買いました。
1200万円の片手2本より、500万円の両手広告費付を2本です。
完全にやられてます。
営業マンは営業をかけられると弱いんです。

ま、いいネクタイでしたが。
本心から、こっちのほうが似合っていると思ってくれたのかも知れません。

次の週、エアコンが設置されました。
午後丸々かかりました。
設置の業者さん、こんなの聞いてなかったと。

売ったら売りっぱなし。典型的な口だけ営業マンでしたね。
本当はどこの売場の担当だったのか、今は知ることもできません。

ま、いいエアコンでしたよ。
丈夫で長持ちです。効き目も維持費も良くて。手入れも楽で。

エアコンもネクタイも、モノがいいから文句言えない(笑)

1、とりあえず、誰彼かまわず声をかける。
2、現場(売場)まで連行する。
3、高いものから見せる。(まわす)
4、本命をもってくる。まわしたエアコンとの相違、メリットとデメリットを理解させる。
5、資金計画のシミュレーションを準備しておく。テストクロージング。
6、気に入ってもらえないなら、アツく夢を語ってでも、情で客を動かす。
7、自信を持って、質の高い商品を勧め、タイミングを見計らってクロージング。
8、顧客を圧倒する迫力でたたみかける。断れない空気を作る。

ここまでは、見事でした。使えるなと。見習おうと。

8、断られ、ぶーたれる。
9、あからさまに落胆の表情、感情を顧客に見せる。
10、買わない客には捨て台詞を吐き、紹介のメを自ら摘み取る。
11、いらない会話に時間を取られ、肝心のクロージングがぼやける。

これは、反面教師にしようと。
これが不動産だったら、たいがいお客さんはブレます。
私はブレずに最終到達点まで行ってしまったクチです。

後日ノジマに行ったら、同じのをもうちょっと安く売ってました。
いい買物をした、と思っていられたのは数週間でした。

いろんな業種の、さまざまな営業マンがいます。
気に入った営業スタイルを自分の中に取り入れていき、自己の確立を目指していきたいと思います。

営業マンのお客様には、ちゃんと順序を追って、最後にクロージングをかけると、コロッと落ちる人が多いですよ。

営業をかけられていると感じたら、必要なものか不要なものか、しっかりと見極めて、話の流れに乗り過ぎないようにしましょうね。